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ドーナツの穴

ドーナツはドーナツの穴に先立つが、ドーナツの穴なくしてドーナツはドーナツとは判別できない。つまりこの世は等しくまやかしであると言うことだ。

きれいな日本語

 

事の起こりは少し前、北野天満宮の学業成就系の鉛筆を見たときだ。

 

東風吹かば匂ひおこせよ梅の花主なしとて春を忘るな

 

言わずと知れた菅原道真の名句。だが、僕はこの歌は美しくないと思う。大鏡に記されたこの歌の別バージョンの方が、もっときれいだ。

 

東風吹かば匂ひおこせよ梅の花主なしとて春な忘れそ

 

前者の「春を忘れるな」と言う単純な禁止よりも、後者の「春を忘れないでください」と言う丁寧な禁止の方が歌の情景にもあっているだろう。

 

と言う事できれいな日本語について考えて見た。

 

先にも述べたようにきれいな日本語は4種類に分類されるだろう。

 

1 文法的にきれいな日本語

これは読んだ時にやや不自然かもしれないが、文法上は間違いのない日本語。古文の逐語訳なんかをするとこうなるんじゃないかな。

 

2 言葉遣いがきれいな日本語

説明不要だろう。ですますであったり、敬語であったりと言うものだ。

 

3 詩的できれいな日本語

三好達治の詩、『首途』の一節を引用しよう。

 

ひとしきり咳をして 薔薇の花ほど血を吐いて

 

ぶっちゃければこの散文詩、「薔薇の花ほど」なんて言わなくてもいいのだ。「たくさんの」で事足りる。けれども薔薇の花で形容する。きれいな例え方だ。

これには先に述べた「東風吹かば」も当てはまる。

 

4 音にしたらきれいな日本語

簡単に言ってしまえば鼻濁音などだ。これ以上の説明はない。

 

 

と4種類に分類したい。

 

1と2は理性的なきれいさ、3と4は感性的なきれいさだ。

これらは独立しているが、どれも日本語と言う言語には重要な要素だ。